標高+1m

Don't be rational.

First Lot First: 最初のロットを先に作る。

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昨日の記事の続きで、Maker Proになりたいシリーズ2作目です。

Maker Proになる道を模索する活動の一環として、個人Makerにとっての販売開始までのハードルの高さを解決したい。

プロトタイプが完成してからの、最初のロットの生産と販売というフェーズを、安く、効率的に遂行する手法を確立して、このフェーズまでをプロトタイピングの枠組みに持ち込みたい。

電子製品の開発から販売開始までのステレオティピカルな流れ(以下:プロシージャ)を示す。自分でやってみたことはないので、想像も混じっている。

  1. プロトタイプの開発
    • 回路設計、基板設計
    • エンクロージャ(外装)のデザインと製作
    • 組み立て
  2. 資金調達
  3. 量産の準備
  4. 量産を外注
    • PCBAサービスへ組み立て済み基板製造を発注
    • エンクロージャ製造や製品の組み立てを発注
  5. 出品
  6. 梱包、出荷

2-6までを一括で外注できるサービスも存在して、便利だろうとは思うが、今は無視する。

今回僕は、最初のロットについて、2と3をバイパスした次のプロシージャを提案、実現したい。

  1. プロトタイプ開発
  2. 出品
  3. 小ロット(例:100個)生産
    • PCBAサービスへ組み立て済み基板製造を発注
    • 自分でエンクロージャを生産、または金型を要しない成型を外注
    • 自分で最終的な組み立て
  4. 梱包+出荷
  5. 売り切る

ここまでうまくいったら、

  1. 資金調達
  2. 量産の準備
  3. 量産を外注

と続く。もしくはロングテールで細々と売る場合は、外注の量産に移行せず、そのまま家で小ロット生産を続けるということも可能だ。

このプロシージャを便利のため仮にFLF(First Lot First)と呼ぶことにする。

FLFを採用すると、significantな時間とお金を費やす前に、売れ行きやフィードバックを得ることができる。また、売れる確信がないものを作るリスクを低くすることで、すごくニッチな製品や、周囲の人間の中で自分だけが面白いと思う製品が世に出る可能性を拡げられると思う。

FLFを現実的なものにするためには、3(小ロットの生産)は以下の要件を満たす必要がある:

  • 高価な型を必要としないこと
  • 製品レベルの強度+見栄えものを、安定して生産できること
  • 自分で生産する場合、1個あたりの生産にかかる労力が低いこと

近いうちにFLFを実践してみるつもりだ。その時は、3Dプリントをポストプロセスで綺麗にした型を使った、シリコンのディップ成型を採用する予定。

家で生産するために、自分用の3Dプリンタも買った。Anet A8。届くのが楽しみだ。

成型技術やそのコストなどを調べるためにこの本を読んでいる。面白い。

またアップデートします。