標高+1m

Don't be rational.

高次元宇宙に移行する

n個の要素を持った配列、n次元ベクトルで表された座標を考える。 *1 n次元ベクトルを与えられた時には、普通n次元空間について考えるけれど、このベクトルをよく見ると、もう一本暗黙の軸があるように見えてくる。ベクトルの要素数の軸だ。ベクトルに詳しくない僕が知っているベクトルの要素数自然数(n)個っていう離散的な値しか取らないけれど、これも軸にできることは間違い無いと思う。

f:id:ympbyc:20150409051145p:plain 3トーラスの表面のxyz座標を計算したいけどなかなか上手くいかない図

数学を全然知らないのに幾何にハマってしまった。ベクトルも集合も高校数学のそれも触りのところしか覚えてないからやり直す必要がある。

というわけでこのテキストで書くことの数学的裏付けを取ることが今の僕には出来ないし、これらはほぼ*2確実に既に数学の言葉で研究されてることなので、このテキストに意味があるのかはよくわからない。「どうやら幾何学ってめちゃくちゃ面白そうだぞ」っていう今の僕の想いが伝わればそれでいいです。

次元を潰す

いきなり高次元の話に入るとわけわからないと思うのでこの章で4次元の物体について考えてウォームアップしよう。

僕らの視覚が認識する空間次元は3つだけだ。4次元の物体を"視る"には、3次元空間に4次元の物体をエンコードするか、空間ではない次元(色とか)を使う必要がある。

時間軸を使って、3次元空間に4次元物体を通過させて、断面のアニメーションを得るっていうのと、立体射影については他所をあたってもらうとして*3、ここでは次元を潰すという操作を考えたい。

次元を潰すというのはなにも難しいことじゃなくて、特に平坦に潰すのは簡単にできる。例えば、3次元の球*4を紙に書くときは、円周を書いて、それに陰影をつけて表現する。これは、x,y,zのどれかの軸を0に押しつぶして、はみ出た次元を色にエンコードするという操作だ。

変わった潰し方もある。例えば、冒頭の画像のように、トーラスの表面に巻きついている糸のz軸をxy平面に垂直に潰すと各頂点が円周から垂直なギザギザの曲線ができる。ところが、平面に垂直に潰すのではなく、円周に沿って撫でるように潰すこともできて、こうすると円周上の点を決める中心角θに、トーラスの経線上の点を決める中心角θ'が加算されて、花丸のような曲線になる。

f:id:ympbyc:20150409063419p:plain θ' = 8θ (0≦θ≦τ)のトーラスをxy平面に潰した図

こういった操作を時間軸に対して行うとなかなか面白い。例えばGPS地上絵 [GPS Drawings]は時間軸をxy平面に潰し込んで、高さzを無視したものだ。

逆に潰された時間軸をほどいてみる。紙(xy平面)にペンで円が描いてあるとき、これを空いているz軸に沿って時間方向に引き伸ばすと、缶のような円筒の下が螺旋状にずれたような形状ができる。螺旋部分はペン先を円周に沿って回している時間。

f:id:ympbyc:20150409122126p:plain

今までの話は平坦に潰すという話だった。平坦じゃない潰し方が投影で、3DCGとか遠近法を使った絵とかは、xyの2次元平面に3次元物体を潰すときに、消失点を設定して、消失点へ集まる軸にz軸を対応づける。これによって錯視的に平面の絵を立体に見せることができる。

同じことが4次元物体でもできるんじゃないかと思って、3次元モニタがあれば4次元の物体を錯視的に表示できると思ったけれど、網膜が2次元球面である制約を受けるような気もしていてまだわからない。

僕らの体も、見えているのが3次元断面なだけで、少なくともこれに加えて時間方向への拡がりはあるわけだし、さらに高次元にはみ出していてもなんにもおかしくはない。

次元軸

ここから本題。2年前くらいからよく高次元の世界について考えているんだけど、高次元の存在になる、というか、高次元の存在としての自覚と視覚を獲得する方法が検討もつかなかった。これはさっき風呂に入っていて思いついた生焼けのアイディア。

(1次元, 2次元, 3次元,   4次元,  ... n次元)

ていうn個の要素を持った配列、n次元ベクトルで表された座標を考える。 *5 n次元ベクトルを与えられた時には、普通n次元空間について考えるけれど、このベクトルをよく見ると、もう一本暗黙の軸があるように見えてくる。ベクトルの要素数の軸だ。ベクトルに詳しくない僕が知っているベクトルの要素数自然数(n)個っていう離散的な値しか取らないけれど、これも軸にできることは間違い無いと思う。

この軸方向に移動すると、次元が増減する。この軸を仮にdimentionのdで d軸 と呼ぶことにする。

ここまでで「高次元に行く方法」というぼんやりしていて怪しかった言葉が、「さあ、ではどうやってd軸の値を変化させようか」という数学の言葉になった。

で、その方法について。n本の軸のどれか一つでもdに関する方程式に変数として含まれていれば、つまり、

vars = {d ∝ p | p ∈ {x,y,z,...}}
vars ≠ ∅

*6 であるなら、その軸方向に運動すればdの増減が見込める。

僕らは、僕らの意志で自由に空間の3次元内を移動できて、さらに意志に無関係に時間方向に移動している、もしこの4軸のどれかが係数がいくら小さくても変数として含まれてさえいれば、つまり{x,y,z,t} ∩ vars ≠ ∅なら、十分な距離だけこの軸方向に移動すれば、高次元に到達できるはずなんだ。もしこの3+1本の軸のどれもdに関する方程式に登場せず、かつvarsが空でない場合は、脳の多次元構造とリンクを確立する方法を探るしかない。

f:id:ympbyc:20150409063932p:plain

(define (vec . xs)
  (take xs (car xs)))

(vec 2 0 0 0 0 0 0 0)   ;;=> (2 0)
(vec 5 0 0 0 0 0 0 0)   ;;=> (5 0 0 0 0)

ベクトルの要素数が要素に依存する例 - dがxに比例している

あぶれた次元や足りない次元がどうエンコードされるのかは考えないといけない。

追記: 宇宙の曲率との関係について

ある軸方向への移動が他の軸方向への移動を作り出すっていう現象を想像しづらいのは、軸が全て直線で構成されるユークリッド空間で考えているから。僕らがユークリッド空間にいるときは、x軸と平行に歩くと見えない力でy方向に吸い寄せられていくなんてことは起きない。

でも僕らがいるのは地球で、地球は球という多様体だ。多様体は、局所的にはユークリッド空間を"貼り付ける"ことができるけれど、大局的に見るとこれが破綻する図形のこと。球やトーラスは多様体の典型例だ。地球の表面を西に移動し続けると、僕らの視点では北を正面に見て左方向に直線的に進んでいるように見える。でも宇宙からこの移動体を観察すると、実際には緯線に沿った円の軌道をなぞるように進んでいることがわかる。つまりローカル座標系でのx方向への移動がグローバル座標系でのy方向への移動も同時に作り出しているわけだ。

f:id:ympbyc:20150413030019p:plain f:id:ympbyc:20150413030352p:plain

俺はx方向に移動していたと思ったらy方向にも移動していた。な… 何を言っているのか わからねーと思うが…

これと同じことが宇宙規模で起きるのが曲率のある宇宙で、閉じた宇宙、開いた宇宙、平らな宇宙っていうのはこの話なんだ。*7

つまり、3+1時空の軸のどれかが次元方向に曲がっているとしたら、ある日突然体の一部が高次元方向に"持ち上がり"始めるってことも、逆に3軸宇宙に潰され始めるってことも、数学的に充分考えられる。

追記終わり

ちょっと今は言葉がまとまっていなくて説明できないけど、d軸ってフラクタルの繰り返しの方向か、それによく似た性質の軸なんじゃないかという直感がある。こんど書きたいと思っているn-トーラスを3次元に潰す話もこれに関係ある気がする。 ref: フラクタル次元 - Wikipedia

今日のところは以上です。次回は銀河とトーラスについて書きます。

ツッコミ待ってます。

*1:点次元の0次元は0要素ベクタなので座標には含まれない

*2:絶対なんだけど知らないことを絶対とは言えない

*3:こことか: http://www.dimensions-math.org/Dim_CH2_JP.htm

*4:表面から内側として3次元

*5:点次元の0次元は0要素ベクタなので座標には含まれない

*6:∝を使ったけど別に比例じゃなくていい。こういうときに使う記号を知らなかった。教えてほしい

*7:閉じている宇宙は球やトーラスのトポロジーで、開いた宇宙は鞍形のようなトポロジー、平らな宇宙はユークリッド空間という理解。トポロジーは現在勉強中。